左から、まず中年の主人公:猛者で破天荒な採集者は今まで虫屋表現には無かったキャラ。それだけでも評価しなくてはなりません。昆虫採集を不気味な雰囲気づくりにしか利用しなかった過去の作品群を思うと、感慨深いものがあります。
若い主人公:TVドラマでもよく見る引きこもりのオタク表現を含め私は不満に思ってます。これだと内気なキョドってる若者じゃん。変だと思うのは、飼育屋なのに標本を作ったことがなく針を刺したこともないこと。あり得ません。飼育屋だけど成虫になったら窓から全て逃がすというのも今どき無い。擁護するならこの舞台の観客は女性が多いので完全な蝶オタクにしてしまうとドン引きになるため、緩和材という役割を担っているという風に解釈することにしましょう。
土地所有企業のOL:女性の観客は怒らないかなぁーと心配になりました。
ストリッパーの若い女の子:え?お前は[アメリカンビューティー]か!と。
取り立てのチンピラ:6人の登場人物で一番影が薄い役でした。
蝶のブローカー:ちょい役にもかかわらず今回一番感心したキャラクター。
つまり主人公2人は想像して人物像を構築してゆくことは可能だと思うのですがブローカーをこういうふうに捉えるというのは本当に知ってないと描けないからです。知らないとどうしても金がからむ暗部として描いてしまいがちかと。こんなふうにトップクラスの採り屋と対等だという感覚は出せません。相当な知識量と海外でのヤバい経験の数々、トップクラスの採り屋との距離感も理解度も的確。ノリや調子いいとこなんかデフォルメしてるとしても、ほんとに居そう。